もし、お子さんが不登校になったら―― 親御さんは慌ててしまいますよね。
なかには、いじめや学力不振などの明確な出来事があったわけではなく、本人も親御さんも原因がわからずに悩まれているケースも多くあります。不登校が続くと、引きこもりになって問題が長引いてしまう可能性もあります。
そこでこの記事では、特に高校生の不登校の原因として多い「無気力」と、その対処法について紹介していきます。
無気力は甘えや怠けではないので、無理をさせてはいけません。無気力になる理由を知って、本人が無理なく回復できるように働きかけていきましょう。
目次
高校生の不登校、一番の原因は“無気力”
高校生の不登校の理由をまとめた文部科学省の資料があります。
令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について | 文部科学省
この資料を見てみると、不登校の理由として“無気力・不安”を訴える生徒が最も多くなっています。数字でいうと、全体の約1/3(33.8%)です。
無気力の次に多いのは、
● 生活リズムの乱れ・遊び・非行(15.0%)
● いじめを除く友人関係をめぐる問題(12.1%)
※友達とけんかをしたあと関係がうまくいかない、クラスに馴染むことができない、など。
になっています。
一方で、多くの保護者が心配する“いじめは0.3%、学業の不振は7.1%と、不登校の理由としては、そこまで多くないのがわかります。
では、そもそもなぜ、無気力になってしまうのでしょうか?
無気力になってしまう理由
高校生が無気力になってしまう代表的な理由を、いくつかご紹介します。
楽しいことがない
変化の少ない毎日に退屈して、無気力になってしまうパターンです。
部活や勉強、趣味など、なにか没頭できることがあれば良いのですが、だれもが目的を持って毎日を過ごせるわけではありません。
打ち込めるものが欲しい、でも見つからない。そんな状況に嫌気がさしてきて、何に対しても意欲がわかなくなってしまうことがあります。
燃え尽き症候群
部活や勉強をがんばりすぎて、心身に大きなストレスがかかると、燃え尽きたように意欲を失う“燃え尽き症候群”になってしまうことがあります。
燃え尽き症候群は、緊張の糸が切れたときに起こりやすいことが知られています。受験期だと、大学入学共通テストを受けた直後や、併願校の合否発表後にあらわれることもあります。
また、部活動で大きな大会が終了したあとや、模擬テスト直後など、ちょっとしたことがきっかけで発症するケースもめずらしくありません。
自分に自信が持てない
勉強しても成績が上がらなかったり模試の判定が悪かったりすると、自分に自信が持てなくなることがあります。そして「自分は何をやってもダメだ」という気持ちから、無気力・不登校につながることも。
自分に自信が持てない原因は、テストだけではありません。親からの過剰な期待や過干渉、そこから生まれる劣等感などが、自信のなさや無気力につながることもあります。
このように、今まで頑張ってきた子ほど、突然プツっと糸が切れたように無気力になってしまうこともあるのです。決して、甘えや怠けから無気力になるわけではありません。
では、もしこのような無気力な状態になってしまったら、どのように対処することができるのでしょうか。ここからは、無気力から回復するための方法をいくつかご紹介します。
まずは心と体を休めることから
最初にもお伝えしましたが、無気力は甘えや怠けではありません。本人の気持ちに寄り添いながら、少しずつ前に進みましょう。
お子さんの不登校の原因が無気力にあると感じたら、あるいは、不登校ではないけれど、無気力が続いていて学校へ通うことが難しそうだと感じたら、まずその状態を受け入れてあげましょう。
そして、心と体を休め、リフレッシュさせてあげてください。
思う存分、ゆっくり寝る
まずは思う存分、ゆっくりと寝させてあげてください。単純に思えるかもしれませんが、十分な睡眠をとるだけでも体がリフレッシュして、その結果、心も上を向きやすくなります。
そもそも、日本の学校の始業時間はとても早いです。いままで、早起きするために睡眠時間が足りなくなっていた可能性もあります。リフレッシュ期間中、朝は無理に早く起こす必要はないので、満足するまで寝させてあげましょう。
好きなことをする
好きなテレビを見てもいいですし、好きなマンガやゲームに没頭してもいいんです。今まで頑張っていたお子さんを認めてあげ、お子さんの心が満足いくまで好きなことをさせてあげると、また気力が戻ってくることがあります。
学校だって、行くのがしんどいと思ったら、たまには休んだって大丈夫です。疲れやストレスを溜めすぎると、回復するのにも時間がかかります。少ししんどいと思ったら、休ませてあげることも大切です。
そして、心身ともに回復してきたら・・・
小さな目標を立てて成功体験を増やす
小さな目標を立てて成功体験を増やし、自信をつけさせましょう。目標は、勉強や学校に関することでなくてもかまいません。「朝8時に起きてみる」「朝ごはんを食べる」「公園を散歩する」など、できることから始めさせてあげるといいでしょう。
新しいことをはじめてみる
学校生活で面白いことややりたいことが見つからない場合は、新しいことをはじめてみるのもおすすめです。習い事をはじめてみる、ボランティア活動をしてみる、泊りがけで親戚の家や旅行に行ってみるなど。新しいことを始めることで、周りの環境や生活にも変化があります。それがきっかけとなって、物事がすっと上手く進むようになることもあります。
それでも気力が回復せず、高校へ通うのがツライときは…
それでも気力が回復せず、高校へ通うのがツラいような場合は、無理をさせる必要はありません。高校をやめても、通信制高校に転入したり、高卒認定試験で高卒と同等の資格を取得したりするという方法もあります。
高認試験とは
高認試験とは「高等学校卒業程度認定試験(高認)」のことで、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があることを認定するためのものです。
中学校を卒業していて、満16歳以上になる人ならだれでも受験できます。合格すれば大学や専門学校の受験資格も得られますし、就職でも、高卒者と同じ扱いを受けられるようになります。
高認試験は高校に在学したままでも受験できるので、高認試験に合格してから高校を辞めるか考えるというのも、選択肢のひとつです。
親御さんとしては「本当に高校を中退してしまって大丈夫か・・・」という不安もあるかと思います。しかし、高校を中退することでお子さんが前に進め、その先の大学受験や将来に目を向けることで、より大きな未来を掴むことができる場合もあるのです。
不登校から高校を中退することになっても、夢をかなえることはできます。実際、四谷学院にはそういう生徒たちが沢山います。その一例をご紹介します。
>>高校中退から大学受験レベルまで実力アップ!東京理科大学に合格した先輩の体験記
>>四谷学院高認コースから大学へ進学し、インテリアデザイナー・建築士として活躍している先輩の体験談
通信制高校とは
通信制高校とは、全日制高校とは違って通学する必要がほとんどありません。メインは自宅学習ですから、自分のペースで勉強をすることができます。
高認試験と異なり、高校を中退する必要がなく、卒業後は「高校卒業資格」となります。いま在籍している高校から転校する形で通信制高校に移ることができます。今の体調や希望進路などに合わせてコースを選ぶことができる上、自分のペースで過ごすことができますから、高校中退する前に通信制高校」も検討してみてはいかがでしょうか。
通信制高校には色々ありますが、四谷学院の通信制高校「四谷学院高校」では、進学コース・教養コースなど4つのコースをご用意しています。
>>四谷学院高等学校は全国31のキャンパス!4つオンコースから選べます。
無気力に気付いたらまずは休むことが大事!気持ちが回復したら次のステップを考えましょう
無気力で高校を中退した場合・中退しそうな場合には、まずはしっかり心と体を休ませることが大切です。しばらく休み、好きなことやできることをしていると、気力が回復してくることもあります。
気持ちが高校に向かない場合は、無理をさせる必要はありません。心と体が元気になったら、そこからお子さんに合った方法で前に進みましょう。
もし高認試験を目指すなら、高認試験コースや高認からの大学受験コースが充実した四谷学院にご相談ください。最短4ヶ月での高認合格も可能です。
また、不登校に悩んでいる方、高校を休学や中退した方のサポートも行っています。
「なりたい自分になる」というお子さんの夢を精一杯サポートしますので、まずはお気軽にご相談ください。資料請求や個別説明会を随時、受け付けています。