義務教育の小学校・中学校とは異なり、高校では出席日数が足りないと、公立学校であっても進級できず、留年することになります。では、具体的に何日欠席すると進級が危うくなるのでしょうか。また、出席日数が足りない場合に取り得る選択肢には、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は、進級のために必要な出席日数・欠席可能な日数を具体的に示し、出席日数が足りない場合に進学・就職への道を確保する方法を解説します。

高校の出席日数が足りないとどうなる?


高校では、出席日数が進級認定要件として定められている場合がほとんどです。進級認定要件は高校により異なりますが、多くの高校で“出席日数が出席すべき日数の2/3に満たない場合”は進級を認めないとしています。

進級が認められなければ、当然のことながら留年です。留年すると、1つ下の学年の人たちと一緒に勉強することになるため、居心地が悪くなり不登校になる人も少なくありません。そしてそのまま休学・高校中退へ至るケースもあります。

なお、文部科学省の調査によると、全日制高校の約9割が年間授業日数を190~209日としています。進級に必要な出席日数が年間授業日数の2/3以上と定められている場合、最低限出席しなければならない日数は127~139日となり、63~70日以上欠席すると進級できません。

ただし、2020年度のように休校期間が長く続くと、出席すべき日数が少なくなります。それにともない欠席できる日数も少なくなるため、注意が必要です。

出席日数が足りない場合に取り得る選択肢

出席日数が足りない場合、学校や各自治体に相談することで、一部の出席日数をフォローできることも。そのほか、以下のような選択肢もあります。

補習講義を受ける

学校によっては、出席日数が足りない生徒に対して長期休暇中に補習講義をおこない、留年を回避してくれる場合があります。

なお、補習講義を実施するかどうかは学校側の判断になります。出席日数に不安がある場合は、念のため確認しておきましょう。

教育支援センターを利用する

近くに教育支援センターがある場合は、利用を考えてみましょう。

教育支援センターとは、各自治体の教育委員会などが設置している組織で、不登校生徒の復学などをサポートしています。教育支援センターは生徒の通っている学校と連携していて、支援センターへの出席が在籍校の出席としてあつかわれる場合もあります。

ただし、文部科学省の調査によると、出席あつかいの措置がとられるケースはあまり多くありません。また、年度内の残り日数が少ない場合、不足している出席日数を支援センターの出席だけでフォローするのは難しく、留年が避けられない場合もあります。

それでも出席日数が足りない…。留年するしかないの?


留年はせずに、高校卒業や大学進学を目指すことも可能です。

先にも書いたように、出席日数が足りず進級が認められなければ、留年となります。そして、留年がきっかけで不登校になってしまうケースや、そのまま休学・高校中退へ至るケースもあります。

しかし、選択肢がそれしか無いわけではありません。

通信制高校などへ転入する

高卒資格を得たい場合は、通信制高校などへの転入も選択肢となります。他校へ転入すれば、すでに取得した単位を活かすことができるため、今までの勉強も無駄にはなりません。

しかし、転入のタイミングによっては単位が認定されず、卒業までに時間がかかることもあります。

また、通信制高校は自宅学習がメインとなりますが、通学しての面接指導(スクーリング)が必須であるため、まったく通学が必要ないというわけではないので注意が必要です。

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高認試験合格を目指す

進学や就職を希望している場合は、高認試験の受験も考えてみましょう。

高認試験に合格すれば、高卒者と同等以上の学力があると認められ、大学受験資格を得られます。また、多くの企業でも、高認合格者を高卒者と同じようにあつかうようになってきているため、就職にも役立ちます。さらに、一部の公務員試験や国家試験の受験資格も得られるため、将来の選択肢を大きくひろげることも可能です。

高校の出席日数が足りない場合は、高認受験も考えてみよう!

高校の出席日数が足りず、留年の可能性が否定できない場合は、高認試験の受験も選択肢の一つとして考えてみましょう。

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