こんにちは、四谷学院の田中です。
この記事では、よくご質問をいただく「高卒認定(高認)試験」と「大検」の違いについて解説します。
大検・旧大検とは?
平成16年までは大検(大学入学資格検定)と呼ばれていた資格試験は、平成17年からは高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)に名前が変わりました。
そのため、文部科学省の高卒認定試験(高認)のホームページにも「旧大学入学資格検定」と記載がされています。
つまり、高卒認定試験と大検は、同じ試験を指しています。
「“大検”の方がなじみがある」という方も多く、高認試験に関する記事には、「大検」「旧大検」と注意書きがしてあるケースも少なくありません。
大検からの変更点
・「家庭科」「簿記」「保健」の科目がなくなりました。
・「英語」が必修科目になりました。
大検は「中学卒業」が受験資格でした。
一方、高卒認定試験は「受験しようとする試験の日が属する年度の終わりまでに満16歳以上になる人」であれば、どなたでも受験できるようになりました。
さらに、以前は受験できなかった全日制高校の在籍生も受験可能となり、場合によっては高校卒業のための単位として認定できるようになりました(※各校長判断によります)。
名前から「大学」が抜けましたが、「高卒認定資格」の合格の際にはもちろん大学入学資格が与えられます。
しかし、名前の変更により、「高等学校卒業者と同等以上の学力がある」ということが強調され、就職や資格取得あるいは留学など、大学進学以外の選択肢としても高認試験が活用されることが期待されていると言えます。
受験生の幅が広がり、より世の中のニーズに対応する試験となっています。
大検から変わらないこと
実施方法、試験問題の難易度、合格基準に変更はありません。
実施方法
高卒認定試験(高認)は、年に2回(8月・11月)の試験があります。
1科目から受験が可能で、それぞれの試験で出願手続きを行います。一度合格した科目は、免除申請をすることができます。
試験問題の難易度と合格基準
高卒認定試験は、非常に基本的な内容が出題されています。大学を目指す人が多く受験する「センター試験」よりも難易は低く設定されています。
問題形式は、4~5つの選択肢から答えを選ぶだけのマークシート形式で、教科書の6割程度がわかっていれば合格できるという難易度です。さらに合格ラインは100点満点中40点程度とされており、半分の50点がとれれば問題なく合格できるというレベルです。さらに、出題範囲も限定されているので、部分的な理解でも合格できます。
合格者に定員もありませんから、合格ラインを超えた受験生は全員合格となります。
近年の高認試験では、1回の受験で40%の人が全科目合格しています。また、各科目では約9割の人が合格しています。
※平成29年第2回試験データより
高卒認定試験に合格することで、あなたの可能性が広がります。