高校に入学した生徒のうち、毎年100人に1人以上の生徒が「中退」を選択しています。
中退の理由は、学校生活になじめない・病気やケガ・経済的事情などさまざまです。
しかしながら、高校中退後に大学進学を希望する人はたくさんいます。ただ、中退後の進路に関する情報はあまり多くありません。そのため、多くの人が遠回りしたり大学進学自体をあきらめたりしているようです。
そこで今回は、高校を中退してから大学に現役合格する方法をいろいろ集めてみました。それぞれの方法のメリットだけではなくデメリットも紹介しますので、高校を中退した人はもちろん、中退しようか迷っている人もぜひ参考にしてください。
目次
高校中退から大学に現役合格する方法3選
高校中退から大学に現役合格するためには、まず大学入学資格や受験資格を手に入れなければなりません。
入学資格を得る方法としては、一部の大学が設けている「特修生制度」の活用があります。一方、大学受験資格を得るためには「他高校へ編入して卒業する」という方法もありますが、高認試験を受けるという選択肢もおすすめです。
では、それぞれの内容・特徴を詳しく見ていきましょう。
通信制大学の特修生制度
一部の通信制大学では、学歴に関係なく大学進学を目指せる「特修生(大学により呼称は異なります)」という制度を設けています。
特修生制度とは、大学が指定する科目を履修して単位を修得すると、正科生(一般の大学生)として入学が許可される制度のことです。
たとえば、八洲学園大学や放送大学では、15歳以上であれば特修生(放送大学の場合:選科履修生または科目履修生)になれます。そして、大学が指定する科目を履修して16単位以上を修得し、入学を希望する年の4月1日に満18歳になっていれば、正科生として入学可能。現役生と同じタイミングで大学へ進学できます。
ただし、特修生制度を導入しているのは一部の通信制大学のみです。また、年齢制限を設けているケースも多く、18歳未満で特修生になれる大学は限られています。
さらに、特修生を経て正科生になっても、中退すると最終学歴は「大学中退」ではなく「中卒」のままで、高卒資格も得られません。
もちろん、行きたい大学で特修生制度を導入している場合は大いに活用すべきです。でも、そうでない場合は「候補の一つ」くらいにとどめておいても良いかもしれません。
他高校へ編入・卒業後に大学受験
高校中退後に別の全日制高校や通信制高校、定時制高校に編入して卒業すれば、高卒資格と大学受験資格を同時に手に入れられます。ただし、「現役」にこだわるなら、この方法はあまりおすすめしません。というのは、中退するタイミングによってはうまくいかないことがあるからです。
全日制高校への編入
全日制高校は編入の条件が厳しい(一家転住など)うえに募集自体がほとんどありません。あっても、定員はごくわずか。しかも、編入時期が4月に限られている場合が多いため、年度途中で学校を中退すると現役合格を目指すことはできません。
通信制高校への編入
通信制高校は全日制高校より入学しやすいですし、中退前に修得した単位を引き継ぐことも可能です。
しかし、多くの全日制高校では「学年制」を採用しているため、単位を修得できるのは学年修了時になります。たとえば、1年修了後に中退して通信制高校に編入すれば2年生からスタートできますが、1年の年度途中で中退すると修得単位はゼロ。編入しても1年生からスタートしなければならないため、現役合格は不可能です。
3年制定時制高校への編入
定時制高校には、4年制のものと3年制のものがあります。現役合格を目指すなら3年制を選ばなくてはなりませんが、3年制の定時制高校が近くにあるとは限りません。
運よく通えても、中退前の高校でそれなりに単位をとっておかなければ現役生と同じタイミングでの卒業は無理です。また、定時制高校の勉強だけで大学進学を目指すのは難しいため、予備校や塾へ通うことも考えなくてはなりません。
高認を経て大学受験
自由度が高いのは、やはり高認です。
高認試験は、高校を中退した人だけではなく、高校へ進学しなかった人や高校在学中の人も受けられます。しかも試験は年に2回。出題レベルは高校1年生の教科書程度なので、きちんと勉強すれば数ヵ月で合格することも可能です。
さらに、高校1年・2年を修了した人なら科目免除を受けられるため、場合によっては得意な1科目を受験し合格するだけで大学受験の資格が得られます。
もっとも、高認に合格しても高卒資格は得られません。でも、高認に合格すればどの大学も受験できます。そして大学へ進学して卒業すれば、最終学歴は「大卒」です。
別の高校へ編入する場合、中退する時期によっては大学に現役合格できません。特修生制度を利用するのもアリかもしれませんが、行きたい大学が特修生制度を導入していなかったらアウトです。
だけど、高認ならこれらの問題をすべてクリアできます。現役合格を目指す人にとって、高認はとても良い選択肢なのです。
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